未来の業界
 
 
 
スタジオはサティーの「ジムノペディ」が流れている
 
カメラマンの風音蔵夫はウエディングドレスを身に付けたモデルをカメラで追いながら話しかけている。
 
シャッターは押さない。
 
ストロボは光らず 電球の様な物でライティングされ
 
8ozの八王子君がマキタの送風機でドレスの裾を狙っている
 
煽られて モデルは揺らいでいる。
 
遠く離れた とあるビルの「会議室」
 
20人くらいの「関係者」が
 
100インチのモニターを見ながら 
 
思い/\/\に喋っている。
 
「このモデルさん 笑ぉたら 目尻に シワよるなぁ…」 と 背広姿のA
 
「それは 簡単に 修正 出来ますから…」 ディレクターの出陸田が答える
 
「あっ! 今の 感じ えゝやん!」 背広‐B
 
「じゃ〜 頂きましょう!」 と 出陸田 キーボードを 打つ
 
 
手許のスイッチを「ON」にし 話しかける
 
「風音さん 今の感じ 良いですね もう一度 お願いしま〜す」
 
スタジオにその声が鳴り響く
 
「そっ それやっ!」 背広‐C わめく
 
マイクにその声が 拾われて スタジオに 大きく響く
 
モデル 目を パチクリさせている
 
「変な声 出さないで よ…!」 と 風音 
 
「すいませーん…!」と 出陸田の声 スピーカーから 謝る
 
「あっ! この商品の胸のとこのオーガンジーの 色 変 !」 と 商品開発のP女史
 
「えっ! 何色が「正解」ですか…?」 出陸田
 
「もー 少し 黄味 掛かってるの!」
 
出陸田 パチパチパチと キーを打ち 「こんな感じ…?ですか?」
 
「もー 少し 深く…」
 
「じゃー それは 後で 処理できますので…」
 
 
「あれー っ! このモデル 腋毛 剃って ないやん!」 背広‐C
 
「あーっ! 本当だ! まー… それも 後で と云うことで…」 と 出陸田
 
ノックも無く ドアーがバタンと開き 
 
お付きの背広が2人と女性秘書を伴えて「社長」と呼ばれている人物 入室
 
ドッカとモニター前に 座る。
 
ジロリっとモニターを睨みつけ
 
「んゝ このドレス… 仮縫いの時に「ダメ出し」したヤツじゃー ないのか!?」
 
皆が商品リストをめくりだして ほゞ 全員 「あー っ!」と 唸る
 
「社長」 憮然と退室したので 20数名の全員 慌てゝ 後を追う
 
 
残ったのは 出陸田と商品開発P女史
 
 
100インチのモニターは何も知らないモデルが優雅に踊っている。
 
 
ガランとした会議室には「ジムノベティ‐3番」が流れている。
 
 
 
 
The Future of Photography
 
 
スズランも咲きました。
2008・4・1

カメラ・オペレーター
 
 
1991年
 
6月〜8月
 
愛知県
 
 
ワタクシは照明屋として
車の撮影で2ヶ月間
ホテルとスタジオの「缶詰」になっていた頃の話
 
「押え」で「ムービー」が2日間 入るというので
ワタクシと8ozのチーフのN君と
スタジオに居残りをしていました。
 
「ムービー」の撮影に
「押え」で「スチール」が入るのは
よく有る「話」ですが…
 
その時は「スチール」がメインで 
ムービーの撮影クルーは申し訳なさそうに
スタジオ入りしてこられました。
 
2日目のムービーの撮影の終了間際に
 
N君と休憩している所に
ムービーのカメラマンが
近付いてこられ
あのー…」と恐る恐る 
話し始めました。
 
関西の方ですか…?
 
「はい そうです」 と N君が 答えた
 
これって 東京の制作って 聞いたんですが…
 
「えゝ そうです 照明のチームだけが 大阪の会社です」 
 
スチールにもライトマンって いるんですね…?
 
「車とか建て込みとかの特殊な撮影が多いんですけどね…」
 
あのー ぼく 大阪の写真専門学校を出たんですよ〜」 と 懐かしげに話すカメラマンさん 
 
「は〜 そうなんですか…」 と 引き気味に話す N君
 
や〜 ひょんな ことから ビデオの世界に入ったんですが これって つまんないん すよ…
 
N君 訳が分からず ワタクシの顔を見る
 
『なんでゝすか…?』 と ワタクシが替わった
 
ほら これ ですよ…」 と インカムを指さしたのです。
 
以降は カメラマンさんの一人語り 
 
その話によると
 
彼は大阪の写真専門学校を卒業をし
東京のムービーの制作会社に入った が
 
VTRのカメラマンは「スチール」ほど「クリエイティブ」ではなく 
離れた所にあるモニターを見ているディレクターからの指示を
「インカム」で受け その通りに カメラを動かすだけで
 
まるで カメラのオペレーター なんすよ… ぼくらって…」 と 
 
何故か ワタクシたちに ボヤいている
『いやー どこも一緒じゃー ないですか…』 と 話を濁して N君を 残して 席を立った。
 
そして
 
1995年 デモンストレーションを見学をした時
 
あのバブルの爛熟期のVTRのカメラマンの話を
 
ふっ と 思い出しました。
 
ファインダーを「専有」出来なくなる時代
 
もしくは
 
ファインダーが皆と「共有」される時代 が 
 
来るんだ!
 
 
 
The Future of Photography
 
 
今週末は夙川で花見しようかな・・・。
2008・3・31

歌は世につれ D
 
黒い花びら
 
 
昭和34年
1959年
 
8歳
 
クリスマスの夜
 
 
 
煙草の煙が充満し ミラーボールが光線引きして 輝いている
 
強烈なポマードと香水の匂いが 入り混じっている
 
「ジングルベル」のレコードが 終わることなく 鳴り響いている
 
 
「♪赤い灯 青い灯 道頓堀の〜 ♪」 と 
 
意味も無く 叫んでいる 向こうのテーブル席の 男女たち
 
男の客も女給さんたちも
店が準備した 
銀色地の赤や緑や黄色で 
先端にボンボリをついた
紙製の「三角帽子」をかぶり 
帽子と同じ 
キラキラの「仮面」をつけている
 
ワタクシは何故か「まぼろし探偵」のマスクをしてもらっていた
 
手には3〜4個のコメット・クラッカーを持たされ
 
「 景気づけに 好きな時に パンパンして ねっ…! 」 と 「ママちゃん」から頼まれた。
 
酒臭いクリスマスパーティーに
ワクワク・ドキドキしている 
 
こんなに夜遅い時間に 寝なくて良いし
大人の「遊び」に参加できるなんて…
 
「ママちゃん」と母は 戦時中からの友人で
 
戦後 「ママちゃん」は女給さんを 数人雇い
 
道頓堀の角座の裏に 小さな「キャバレー」をやっていた
 
クリスマスは 書入れ時 なので
 
母に女給さんの数合わせの為の「ヘルプ」を頼んだのだろう
 
店を出ると 小雨が降っていた
 
 
「お疲れさん… 助かったわ!」 と ママちゃん
 
「楽しかったわー!」 と 母
 
「よい お年を!」
 
「よい お年を!」
 
「ほな… タクシー 乗ろ かー」と 少し酔っている母が言った
 
タクシーなんか 「勿体ない」から 滅多に 乗れなかったので 嬉しい
 
 
タクシーの車窓から キラキラ あでやかな ネオンが 
 
小雨に濡れたガラス越しに 見えた
 
こんな夜遅い繁華街を見るのは はじめてだ
 
タクシーのラジオから 聞こえはじめた 唄
 
 
 
黒い花びら
 
黒い花びら 静かに散った
あの人は 帰らぬ遠い夢
俺は知ってる
恋の悲しさ 恋の苦しさ
だからだから
もう恋なんかしたくない
したくないのさ

黒い花びら 涙にうかべ
今は亡い あの人 ああ 初恋
俺は知ってる
恋の淋しさ 恋の切なさ
だからだから
もう恋なんかしたくない
したくないのさ
 
 
今まで聴いた「歌謡曲」とは 違う
 
「赤い」「花」ではなく 「黒」で「花びら」なんやぁ…
 
心に響く 咽び泣く サックス
 
大人な音 ジャジーでブルージーな
 
低く ぶっきらぼーな ボーカル
 
乾いた 静かな ロッカ・バラード
 
 
さっきまでの 熱い喧騒が残っているワタクシの体の中に 「黒い花びら」 が 静かに入ってきた。
 
 
そして 
 
今 
たまに 
「この曲」 を 聴くと
あの場末のキャバレーのざわついた空気と
タクシーから見た静かな雨に濡れたネオンを
思い出します。
 
その年のレコード大賞第一回の受賞しました。
 
水原弘の『黄昏のビギン』を 
一度 聴いて下さい 
「ちあきなおみ」も 良いですが
 

 
Black petal
 
 
まだ一部 
浮かれ気分の
勇み足

2008・3・29

未来の業界
 
 
1995年
 
カシオから爆発的人気のデジカメ「QV-10」が発売された頃
 
町中のカメラマンが「デジタル化」を夢見ていた と 思います。
 
初期投資総額は○千万円也で
 
「ローン」だとか「リース」だとかで解決すべきか?
 
はたまた も〜数年 様子をみるべきか?
 
そんな ある日
 
「苦労ちゃん うちのスタジオでデモンストレーションするから 見においでぇやー」
 
と 誘われたので 見学に行きました。
 
某クライアントの偉い宣伝部長さんたちも立ち会われたり で 
 
軽いノリで 伺った ワタクシ ちょいと冷や汗でした。
 
そこで ワタクシ 頓珍漢な質問したのを 忘れられません。
 
世界の名機「QV-10」を いち早く 保有していた ワタクシめ
 
『それって どれくらいの画素数 なんですか…?』と 質問したら
 
画素!?」 と 絶句した エンジニアさん  
 
ワタクシの上から下まで メンチを切られ&シカトされました。
 
 
で そのデモ 以降 ワタクシの頭の中で《未来の写真現場》が 見えたんです。 
 
そんな 話 あした しましょう ね…
 
あっ… 
あしたは 
土曜日やらか 
『歌は世につれ』パートDやし
 
月曜日やね
 
 
The Future of Photography
 
 
今日は阪神の芦屋駅からの風景。
2008・3・28

リンゴびて
 
 
メジロは何処に行ったやら…
梅の季節が終わってしまい
メジーとジローは もー 来ません
キレイなガラスの大皿を そろそろ 仕舞いに掛かろぉか な
 
スーパーの選外品で買ったリンゴ
誰も 食べに きてくれません
さ〜 どー しよ   … 。 
 
 
Good−by


開花!来週が見ごろかな。
2008・3・27


大阪の洒落言葉 D
 
えべっさんのとんと
 
 
天王寺美術館の前で 勝男 立ち止まる
 
「通天閣に行こか…?」
 
日立モートル》のネオンサインが灯りはじめた通天閣を眺めている。
 
「おとうさん『モートル』って なに?」 と チエ子が聞く
 
「さー 『モートルの貞』は『悪名』の『田宮二郎』やけどなー なんやろ…?」
 
「あんねぇ 『モートル』 ゆーたら 『モーター』の ことや…」 英語が得意な 妙子が答える
 
「へー そー」 とチエ子 は 納得
 
「ほな 『モーターの貞』って どー ゆー ことやろ…?」 と ブツブツ 呟く
 
「おとうさん なに 「戎っさんとんと」 してんのん?」 と 勝男の顔を覗き込んで チエ子が言う と
 
「えー っ! なんやったっけ? それ 「戎っさんの…」」 と 又 ブツブツ と 悩みはじめる
 
「洒落言葉の得意な お父さんやのに 忘れはったん? ほら!『笹』 やん ねー っ チエ子…」 妙子
 
「『笹』持ってこい… ちゃうな…?」 又 口の中でモゴモゴしている 勝男
 
「チエ子 ゆーた げ なさい」
 
「『えべっさんのとんと』で『笹焼く』やん!」 と チエ子
 
「ささやく… あゝっ! 『囁く』かー! んー ん ふん!」 と 大納得の勝男 続けて 負けじと 大声で
 
「さすが チエ子は『牛のおいど』やな…!」
 
もー お父さん 又 キタナい 言葉を… 止めてください って!」
 
答えは来週の「水曜日」に…
 
※ 『モートルの貞』 『悪名』第一作目で 勝新太郎扮する「朝吉」が
            松島遊郭の親分に「こいつ ものすごい『馬力』で この辺では『モートルの貞』と呼ばれて…」
            と紹介しているので
               『モートル』=『馬力』 かと 思われます。   
 
沈丁花もいい匂い。
2008・3・26


寿司屋でのはなし
 
 
 
先日 息子が 春休みで 帰宅していました 3日ほど
 
で 『小ましな回転寿司を喰いに行こ』 と 誘い
 
大将や職人さんが握っているんですが
 
「回転」している「寿司屋」さんに行きました。
 
我家の回転寿司の皿数の歴史は
 
・息子が幼稚園の頃 ワタクシが14皿 息子が  8皿
 
・小学生の頃     ワタクシが12皿 息子が10皿
 
・中高生になる頃   ワタクシが12皿 息子は14皿
 
で 先日は 8皿目で(もー えゝかな…)と思うような腹具合に
 
でも まー ガムバって 11皿迄 いきました けど…
 
最初に頼んだ 
鯛のアラの赤味噌が
随分と大きかった
から かも…
 
鮨を摘みながら しみじみ 息子と話しました。
 
  まどろむ昼下がりの寿司屋にて
 
 
『お前が生まれた時 「寿司屋」さんに行かんとこ って 決めてん』
 
「なんで?」
 
『お店に 迷惑かゝる から…』 
 
「なんで?」
 
『子供って ジーっと してないやろ… 動きたがるやん…』
 
「まー」
 
『それでなくっても お父さんは 寿司屋さんに嫌われるタイプやねん…』
 
「なんで?」
 
『刺身の突き出しで 充分 ってか… それすら 食べんと 呑むばっかしやろ…』
 
「夜は 特に ね…」
 
『店に 気ぃ使ぉて 色々 頼むけど それも置いて 呑むやん それが 職人さんには もっと 気ぃ悪い らしいーん や』
 
「それは そうだね…」 
 
『そー こー してる内に 「回転寿司屋」さんが あっちこっちに 出来て 気ぃ使わんでえゝやん 子供が走り回ろうと』
 
「確かに…」
 
『せやから お前に 回転せーへん寿司屋さんを 経験させずじまいに なったわー』
 
「別に 良いけど…」
 
『まー ねっ…』
 
「おとうさん 最後 何 頼む?」
 
『〆 わ やっぱ 茄子 かな…』
 
「じゃー ぼく 蒸し穴子 で…」
 
『おまえ そんな 上等なん いつ 覚えてん?』
 
「おとうさん さっき 食べてたよ」
 
『 うそ! ほんま? 』
 
 
Conveyor-belt sushi shop
 
 
淡いピンクの靄・・・もうすぐ開花。
2008・3・25

FixedPoint
&
Click !


雪柳が花盛りです。
2008・3・24


睡眠厳禁!
 
 
 
春 の うらら
 
こんな 過ごし良い 季節
 
うつら うつらの 居眠り しますか …?
 
 
昨日 フロントのニュースに掲載していますが 
勤務中に居眠り… 事件 をメンバーが起こしました。
「勤務中に寝る」なんて「ありえない!」と思っていましたら… あって しまい ました。
8ozマネージャーのS女史に『「勤務中の睡眠禁止」ってマニュアルに書いてないの?』
と聞いたら 「それは…… 」 と (余りに‘常識過ぎて’)書いていませんでした。
早速に
 
『明日から書いといて(勤務中の睡眠は‘即刻!くび!’)って 頼むわ…』
 
それに
お客様にお聞きした処
「8ozの人は よく寝ている のに フリーランスの人は‘絶対’しない」と言われ
大変ショック! を 受けています。
 
あのー
この話は
ロケなどの車の「移動中」の話です が
「移動中」=「勤務中」ですから = 「厳禁」≒「首!」
 
だって お客様が‘運転’という‘仕事’している 横で‘睡眠’って‘有り得ない’ですよね…
 
それに… 
もし… 
運転中に居眠り 
しませんよね…??
 
居眠り運転!!
 
 
アシストシート助手席に 座る時 《8ozは絶対 睡眠しません》 宣言 します!
 
 
 
 
Doze prohibition!!


はちきれそうっ。開花間近。
2008・3・22


FixedPoint
&
Click !


雨上がりは遠くまで見えます。
2008・3・21


大阪の洒落言葉 C
 
兎のとんぼがいり
 
 
天王寺公園 野外音楽堂  天王寺の「野音」は1980年に閉鎖
 
チエ子は「バヤリースオレンヂ」
妙子は  「三ツ矢サイダー」
勝男は  「麒麟の缶ビール」
を 
それぞれ 片手に持っている。
 
「素人のど自慢大会」
見るでもなく 聞くでもなく 
ステージに向かい座っている 三人。
 
「ちょっと 「放送局」 行ってくる」と 勝男
 
「えっ!! おとーさん 歌うのん!?」と チエ子
 
「おビール 置いて行きはらんと…」 と 妙子
 
「んゝ」と 缶を 妙子に渡して 勝男 スタスタ ステージの方に向かう
 
「おかーさん ほんまに おとーさん 歌うん?!」
 
「何 ゆーてるのん 「放送局」は「音」を「入れる」所やから 「おトイレ」のことやぁ…」
 
「なーん やー まー そら そーやん なぁ…」
 
 
       ステージでは まだ肌寒いのに大きな大きなヒマワリ柄のアッパッパーを着て ニコニコ顔の おばちゃん ・アッパッパー 袖無しの「ムームー」
 
「38番 『東京ドドンパ娘』 歌います!!」
 
 
好きになったら 
はなれられない
それは はじめてのひと

ふるえちゃうけど 
やっぱり待っている
それは始めてのキッス 
甘いキッス

夜をこがして 胸をこがして
はじけるリズム

ドドンパ ドドンパ ドドンパが
あたしの胸に
消すに消せない 
火をつけた
 
 
席に戻った勝男
 
「なにー この歌 下手糞やなあ… 「うさぎのとんぼがいり」やがな!」
 
「何?それ? 洒落言葉?」
 
「兎のとんぼ返り で 「耳痛い」 やね…」 と 妙子がチエ子に耳打つ
 
「ほんまや!」と チエ子 クスっと笑う
 
「で 「耳」ヘンに「心」が 無いんかな…」と また 呟く勝男 
 
「それも 洒落言葉?」
 
「ちゃう…!「唄啓」のギャグで 「恥」かしないんかー?やっ…」 ・唄啓 漫才師「京唄子・鳳啓介」
 
 
『東京ドドンパ娘』 終わる 
 
カ〜ン! 鐘 1つ
 
ガッハッハー ゲラゲラゲラ ワハハー の大声が 春の午後の空に抜ていく
 
「おとーさん さっきの「放送局」って分かったよ〜 「音入れ」やんなー うちらのクラスで「テープレコーダー」って ゆーねんでっ」
 
「ちゃう!ちゃう!ちゃうでーー チエ子なぁー 「声」「溜める」とこで 「肥溜め」やー!」
 
もー キタナイこと 言わんとー お父さん…! チエ子の前でぇ ほんまにー もー!」
 
「ほんまや! おとーさん あっち 行って って! シッ シッ シー!」
 
「へっ へ へーー ごめん!ごめん! 皆してー いじめてー 「兎のとんぼがいり」やな… 」
 
温い風が吹き
 
梅の花がひらひらと散り
 
チエ子の肩にも 一つ 二つ
 
 
Somersaulting rabbit
 

ヒヤシンスさん・・・花が終わるね。
2008・3・19

梅見で三杯 A
 
 
北野坂
 
異人館街という場所柄
お洒落で観光客御用達な飯屋が多い
 
そんな中 
ワタクシ共は地元tyでチープな店を求めて
坂を登る
 
 
「すえひろ」  小じんまりした「丼もん屋」さん風
 
天婦羅蕎麦てんざる ワタクシ
海老天婦羅大根蕎麦えびてんおろし 
カツレットかつどん 
 
以上 三品 決定し 
 
おばさん-A に告げると
 
大丈夫ですか…?食べれますぅ…!?」 と 確認され
 
『大丈夫でぇしょうぉ… 』と ワタクシ
 
で ペロっと 平らげ 
 
胃袋にピッタリなサイズに 納まった 感じ。
 
お勘定 と なり
 
妻 レジに立って 伝票を渡すと
 
2千… ! 3千…!?!?」 と おばさん-B
 
「食べ過ぎましたか?」 と 妻
 
ゝえ … ○×△?#Ю!£… 」 B
 
腹ごなし に 歩く
 
北野天満宮 到着
 
平清正が建てたと言われてるのに
なんか…
地味やなあ
プライベート神社みたいや
歴史的に 「平清盛」=「悪者」 
の 扱い やからかな?
 
と裸の梅の木を見ながら
 
帰路につく
 
 
   おかわり…!
 
GOTISOUsama
 
 
急激に 桜のつぼみが大きくなってるぅ。
2008・3・18


梅見と外食 @
 
 
 
きのう 神戸の北野天満宮へ 観梅に出掛けました。
 
神戸の「隠れ観梅場」です。
 
梅たちは 意地悪で 白梅は散り落ち 紅梅は蕾で
 
結局 木々のみを見た と云う 結果になりました。
 
まー 北野異人館街の 最高峰に ある所なので
 
見晴らしは 大変 良かったです。
 
宮内には 
 
昔 懐かしい コインの望遠鏡があったり
 
質素な「ユースホステル」があったり でした。 
 
んで
 
きょうの話は その日の 食事のことなんです。
 
三宮の駅に着いて
 
『ガード下の「aa」に行こうか?』 と なり
 
歩きながら メニューの相談を 妻としました。
 
『ぼく 焼きそばと餃子2人前にする… いつもやけど…』
 
「わたし 硬焼きそばかフライ麺って あったかな…」
 
『無いのんちゃう… あるんかな…?』
 
「でも… そー なる と 汁気が 無いわね…」
 
『ほんだら スープ 頼んで 半分こ しよう!』
 
と 段々と その気になって 店の前に 立つと
 
《 12時開店 》 って 書いてんねん
 
時計を 見る と 11時40分
 
『 道々 他 を 当たろう 』 と なり 断念 残念…
 
異人館のある 山に向う 
 
陽射しは強く ちょっと汗ばみ コートを脱ぐ
 
北野坂
 
 
 full-bloomed plum tree
 

北野天満宮の梅の花。
2008・3・17

歌は世につれ C
 
愛ちゃんはお嫁に
 
 
 
昭和31年 
1956年 
 
5歳 
港町 
 
和歌山県新宮市三輪崎
 

海水浴で疲れた体を 
だゝっ広い仏間に横たえ
軽い睡魔におそわれる
 
海で見た 大きな入道雲
 
遠くでゴロゴロと雷 鳴っている
 
急に 寒くなり
 
ザー っと 土砂降りの通り雨
 
土の臭いが立つ
 
眠くなり そのまゝ 寝入る
 
愛ちゃんはお嫁に
 
さようなら さようなら 今日限り
愛ちゃんは太郎の 嫁になる
俺らのこころを 知りながら
でしゃばりお米に 手を引かれ
愛ちゃんは太郎の 嫁になる 
 
さようなら さようなら 悲しい日
愛ちゃんは俺らに ウソついた
ウソとは知らずに まにうけて
夢を見ていた あまい夢
愛ちゃんは俺らに ウソついた
 
さようなら さようなら 遠ざかる
愛ちゃんは太郎と しあわせに
なみだをこらえりゃ はらはらと
ひと雨キツネの お嫁入り
愛ちゃんは太郎と しあわせに
 
 
目覚めると
 
日は陰り
 
砂利道のバス通りに面している
 
映画館「熊野座」のスピーカーから
 
大きなボリュームで流している
 
曲が終わると 館主のおっちゃんの「だみ声」の宣伝がはじまる
 
「え〜っ 本日6時より 東千代之介あづまちよのすけ 中村錦之助なかむらきんのすけの豪華主演による
 
『笛吹童子』…『笛吹童子』… で え〜 市川歌右衛門いちかわうたえもんによる
 
『旗本退屈男・謎の怪人屋敷』の 二本立てを 上演します え〜っ 本日…… 」 
 
保育園が夏休みに入って すぐに
 
この母の実家の村で過ごしている
 
毎夕 この歌と この宣伝文句を 流し
 
子供のワタクシでも覚えてしまうほど
 
歌は たまに
 
三橋美智也の《哀愁列車》や《リンゴ村から》も掛かったけれど
 
館主は きっと この 《愛ちゃんはお嫁に》 が とても好きだったんだろう。
 
 
お米よね は 細目 で 出っ歯
 
愛ちゃん は 二重 で ぽっちゃり美人
 
きっと 太郎と 離婚する
 
 
…… 子供心に そー 思ぉた。
 
 
 
good-by miss Love
 

まっ晴れ!!
2008・3・15

空想 ‘チカラ’
 
 
 
「あれー っ! メジーとジローが 皿ごと もってちゃった の…!」
 
と 今朝 目覚めた 妻が 素っ頓狂な 大声を上げた。
 
庭先に置いていた 《 キレイなガラスの大皿が 》 3月5日記載の… (無い!) からです。
 
メジロの番つがいの‘メジー’ちゃんと‘ジロー’くんの 餌場の 大皿 です。
 
ヒヨドリの ‘ヨードリー’ も この大皿に乗って餌を ついばみ
 
パチンコ玉の大きさの ●を 残していきます から…
 
キレイな大皿が‘キタナイ大皿’になったので
 
きのうの夜の内に 庭の水場で 水を大皿に一杯に溜めて 
 
きょう 洗おうと 置いておいたんです。
 
それを 妻に言ってなかったので…
 
素っ頓狂な声の原因なんです が
 
でも…
 
メジロ2羽の‘チカラ’で あの 3kgはあろー 大皿を もってった と
 
空想する‘チカラ’を 持っている 妻に ‘感銘’した っす… 。
 
   ボケかまし
 
 
 
Power of white-eyes ?


塀の上の見張り犬。
2008・3・14


写真の‘チカラ’
 
 
 
きのう 大昔の「天王寺駅」の写真を見つけて 泣けました。
 百聞は一見にしかず 
写真の仕事をしながら
 
《広告》という 狭い範疇でしか 《写真》をしていなかった
 
と つくづく 思いました。
 
変な話
 
ご近所で 家を建てゝる工事をしてゝ
 
その前の《姿》は どんな だったか…?
 
何が建っていたのか これが 思い出せないんですね。
 
大学の頃 写真の先生が 言ってた言葉
 
「消えゆく 町の姿も 残しなさい…」 
 
思い出した っす… 。
 
アート&クリエイティブ馬鹿で 芸術カブレ していた青年は
 
全然 聞き入れなかった っす… 。
 
 
でもな… 
「昭和」な
記録的な
写真
なんか
撮っても
ワタクシ
下手クソ
やしな…
 
玄人ちゃうのに
上手な人
ブログで
ぎょうさん
見ます
ねん……




Power of photograph


開花が早まったらしいけど まだまだね。
2008・3・13


大阪の洒落言葉 B
 
夏の蛤
 
 
春の陽気に誘われて
天王寺公園の茶臼山に遠足
 
「おとーさん!遠足 ゆーたかて 茶臼山やん…!」
 
と チエ子は不満タラタラ
 
「チエ子 まー そー 言わんと… この『天王寺ステンション・ビル』が 
この秋に完成する… 1962年・昭和37年 その 工事中を やな 
目ぇに焼き付けとき やー 「歴史の証人」やから」
  
と 勝男は 振り返り 天王寺駅を 見詰めている
 
「お父さん『ステーション』ですよ…」 と 笑いながら妙子も 眺めている
 
公園は 見上げると「梅」がチラホラ 下は「水仙」がポツポツ そして ずらり「露店」が並んでいる
 
「おとーさん お面 買ぉーて」
 
「お面って 女の子用のん 無いやん…」
 
「『月光仮面』で えゝ!」
 
「『で えゝ』って そんな えゝかげんな 言い方… あかん!」
 
「絶対 『月光仮面』 買ぉーて 欲しー!」
 
「チエ子 きょう 止めときなさい…」と 妙子 チエ子の手を引っ張る
 
「あっ! アホの正男や!」
 
金魚すくいの屋台の前に ジーっと 見詰めている 同級生の「正男」がいた。  
 
「おっちゃん… この 金魚 「鯉」 ちゃうのん?」 正男
 
「ボク なに ゆーてんの …?」 金魚すくい屋
 
「おっちゃん なぁ この前 金魚すくいして なぁ 金魚 ものすごい 大きぃなってなぁ… ぼくの足ぐらいに なってん なぁ…」
 
「ボク 手ぇ 突っ込んで かき回したら アカンでー」
 
「ほんでなぁー 金魚鉢 一杯になってなぁー 死んでん… せやし なぁ」
 
「ボク ボクっ! 金魚 つかんだら アカンって!」
 
「土 掘って なぁ…」
 
「アカン ゆーたら! アカン! ちゅーねん!」
 
「埋めて なぁ…」
 
「もー あっち 行け!クソガキ!」 と 竹ボウキを 振り上げる
 
正男 あわてゝ 人混みの中に逃げる
 
「かなん奴っちゃ なー 営業妨害 『夏の蛤』 も えゝとこや でぇー!」 と 
回りの仲間たちに聞こえるように 怒鳴っている
 
「おかーちゃん 『なつはまぐり』って なに?」 と 小声で
 
「知らんわ…」 と 小声で返す
 
「おとーちゃん わ …?」
 
「あゝ あれ なぁ きたない言葉や… 」 勝男も小声
 
「なんで… 『なつはまぐり』 が…?」
 
「ん… 『夏の蛤』 なぁ 「身 腐って 貝 腐らん」 や…」
 
「なに?それ…」
 
「つまり な 「見くさって 買いくさらん」 つまり 「見るだけ見て 買えへん客」のことや…」
 
「へー えげつない 言葉やねん ね… 」
 
んーもー お父さん チエ子に 変なこと 教えんといて下さい なあ…」 小声で
 
 
 
The clam in summer
 
 
線路は続くよ どこまでも。
2008・3・12
 

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今日は晴天。(阪神電車の車窓から)
2008・3・11


猫の勘違い
 
 
先日の夕刻
帰路の道々
 
震災以来 廃墟となっている
広大な お屋敷の前 辺りで
大きな猫の歓迎を受けました。
 
猫・Z 「これ これ どー どー 首を長くして お待ちしておりました…
      こゝ数日 お越しにならないので 私ども 大層 ご心配しておりました…」
 
   『えゝっ! ワタクシ…? で えゝの…?』
 
Z「なにを おっしゃいます…!」
と 建物の陰 から ゾロゾロ 薄汚い 野良が 10匹 近く 現れてきました。
A「お待ちしておりました!」 B「ほまです!」C「今か… 今か… と」
 
D「まだか まだかとばかりに!」 E「首 見てください 長くなってますから…!」
 
   『あのー 通り掛りのモンですけど…』
 
Z「えっ! なんですと… あれっ! 人違い…? あっ! ちゃう! 人違いや!!」
 
   『でしょ…』
 
Z「ばー か! あっち 行けー!」
 
   『馬鹿!ですか?』
 
Z「よく見りゃ 全然 違う! 小汚い うすのろ やぁ…」
 
   『薄野呂…?』
 
Z「野郎ども! 人違いだ!人違いだ! 解散!解散!」 
 
A「ばー か!」 B「小汚ぁ…!」 C「薄にょろ!」 D「解散!」 E「撤収!」 F「こじきやろう!」
 
 
ワタクシ 気まずい思いで ふたゝび 歩き出しました。
 
翌日
 
同時刻 18:30
妻と一緒に 同じ道を歩いてました
 
きのう の そんな「話」を 思い出し 喋りながら
 
そしたら…
 
どー でしょう… !
 
前方に
品の良い腰の曲がった婦人が 歩いてゝ
その廃墟の屋敷前に 差し掛かった とき
「ご主人様 ご主人様! これ これ
 
と 聞き覚えのある声が 聞こえてきて
それを 皮切りに 野良の猫たちが
 
「ご主人様!」「ご主人様!」 と いっせい に
 
その老婦人は 身を屈め
ビニールの袋から 食パンの切れ端と 思われるモノを 取り出しては まいていた。
 
「ご主人様!ムニャミャ!」 「びみ!美味!ご主人ヒャン」
 
「これ これ!ムシャムシャ ご主人ヒャマ…」
 
「見目うるわしき ごしゅひん ムニャ ムニャ ムニャ ひゃまぁ」
 
その光景を 驚きながら 見た 
 
「あなた あの人に 間違われたん やわ ー 」
 
『 ………… 』
 
 
 
misunderstanding me


朝9時・・・大阪の空は雨模様?
2008・3・10


歌は世につれ B
 
野球けん
 
昭和33年 1958年 6歳 
 
 
日曜日
 
夕方
台所で
おかーちゃんがカレーを作っている
その横で
中学生のお姉ちゃんが手伝っている
 
日曜日は
特別な日
「職工」のおかーちゃんの手料理が食べられる
 
いつもは 
中学のお姉ちゃんが適当に作った
惣菜屋さんで 買ぉてきたような「もん」ばっかりやった。
 
「おかーちゃん それ なんの歌?」
 
「さー なんやったかなぁ… 」
「ふー 
 
滅多に無い 母の 鼻歌やハミング
 
めざとい 姉は 気がついた
 
そのまゝで 会話は終わってしまったが
 
ワタクシは その歌を知っていた。
 
前の日曜日
母の「工場」の慰安旅行があり
ワタクシも連れて行かれた。
 
パーマ屋さん
きつ目のパーマで髪を固めていた 母
 
「いっちょらい」で「よそいき」の着物を着ていた。
茄子紺色より少し紫がかった
「派手」「渋」な色だ
 
ワタクシはそれを着ている母が好きだった。
 
宿泊先は奈良・猿沢池の畔
修学旅行生やらの団体を専門にしているような
安くも無く 高くも無い 宿 であった。
 
みんなで「ひとっぷろ」浴びたあと
大きな広間にゾロゾロ集まり
宴会がはじまった。
 
「かくし芸」が下座の人から順々に回りだした。
 
お富さん
 
粋な黒塀 見越しの松に
仇な姿の 洗い髪
死んだはずだよ お富さん
生きていたとは お釈迦様でも
知らぬ仏の お富さん
エーサオー 玄冶店

が 唄われ
 
チャンチキおけさ
 
月がわびしい 露地裏の
屋台の酒の ほろ苦さ
知らぬ同志が 小皿叩いて
 チャンチキおけ
おけさ切なや
やるせなや
 
も 唄った
 
若いお兄さんの職工は
ダイアナ」や「監獄ロック」やらの洋楽を歌うが
大人達の もみ手の「拍子」に合わず
間の抜けた感じの歌になていた。
 
一通り「かくし芸」が終り
次は
「工場」の人と「事務」の人に分かれ
「ジャンケン」大会が はじまった。
「事務」の人数が足りないので
「工場の女」の人が そちらに加わゝり
母も「事務」の方についた。
 
野球けん
 
野球するなら
こういう具合にしやしゃんせ
投げたなら こう打って 
打ったなら こう受けて
ランナーになったら
エッサッサ
アウト・セーフ
ヨヨイのヨイ
 
ジャンケン・ホ〜
 
初めて 聞く 曲 だった
妙に ウキウキ する テンポ だった。
 
「社長さん」が2〜3人勝ち抜き
みんなはヤンヤの喝采を送り
ついに 
負けてしまった「社長さん」には
会場がどよめくほどの笑いがおきた。
 
何故か 不思議な 一体感があり
ワタクシも 気が 高ぶっていった。
 
舞台に立った 男達は 唄い
腰を ‘妙な’振りをつけて踊る
 
女達はキャーキャーと笑っていた。 
 
みんな みんな 酔っていた。
 
そして
 
さっきの
台所の
おかーちゃんの
ハミングは
その
野球けん
やった
 
 
 
《野球けん》は昭和29年
青木はるみさんでレコード化し
一般にはそれほどヒットしなかったが
宴会ソングとして広まった。 
 
 GU-TI-PA-
 
 
ヒヤシンス 満開です。
2008・3・7

露地物・水菜
 
 
お隣の大家さんから
今年も
水菜のお裾分けがありました。
 
敷地内の畑で作られているんですが
これが…
実に
うまい!です。
 
パッと 見ぃ 柊ヒイラギの様に
葉っぱのトゲ/\が立派で 「痛っ!」そー で
色も
真緑 ってか 深緑 
 
味は
ワイルド
っちゅー か
太陽一杯浴びた葉緑素風味多々
っちゅー か
ほんまもんの「苦味」
っちゅー か
歯触りも「味」の内で
ガシュ/\/\
 
サラダで食べれる「水菜さん」なんか 野菜じゃーない!
常日頃 思う ワタクシであります。
パク! パク!
 
Leaf vegetable
 
  
えー・・・っと 難波駅です。(四ツ橋側はさみしいのだ)
2008・3・7



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今朝7時の空。
2008・3・6


キレイガラス大皿
 
 
貰い物のリンゴが1個だけ
あまってしまい
もう 萎びそうになっていました。
 
それでも
食べる気がしなくて
冷蔵庫を開ける度に
気になっていました。
半月ほど前から
庭に
色々な鳥たちが
飛び交うようになり
心 嬉しくなってました。
 
「そうだ!ヤツらに やろう…!」
と 妻に頼んで
リンゴを切り分け
庭のアチ&コチに
置きました
ところ
まんまと 食べていました。
日曜日に
鳥の餌(稗・粟・黍)と新たにリンゴも買い求め
ガラスのキレイな大皿に盛り
庭先に 
画像クリックしてみてください。
置いておきました
 
メジロやヒヨドリやらが
せっせと
食べてます
 
「やったね…!」的 気分
ヤツらは
食べながら
ウン○をします。
 
キレイなガラスの大皿は
○だらけです。
 
 
 
Bird's excrement


春だしぃ。
2008・3・5


大阪の洒落言葉 A
 
赤子の行水
 
 
ガラスケースに入った二人飾りの雛人形を
片付けている 妙子とチエ子
 
可愛いベイビー ハイハイ
  可愛いベイビー  ハイハイ
 
女雛を手に持ったチエ子は お尻を振りながら唄いだす
 
「チエ子 お雛さん 振り回したら 壊れるってぇ
 
可愛いベイビーと呼ぶのは
   愛しているからかしら
   プリリルベイビ 可愛いベイビーー
 
「おとーさん こんど 段付きの お雛さん 買ぉて!」
 
とチエ子 振り向きざまに 勝男に言う
 
「あほぉー あんなん 高いやん」と 煙草に火をつけながら 勝男 言う
 
「そやかて この前 まっちゃまち松屋町 歩いてる時 三段飾り 見て 
 
『あれ 金持ちなったら 買ぉーたるわ』って ゆーてたやん!」
 
「しゃーから 金持ちになったら… やん」
 
「せやかて 今年 「包丁方」になって 手取り 上がる ゆーてたやん」
 
「ゆーても しれたー る って」
 
妙子はチエ子が持っている女雛を受け取り 仕舞いながら
 
「そうやねぇ… テレビの月賦も まだ/\ 残ってるしね…」 と ため息をつき 言う
 
「ほんでも おとーさんの晩酌「トリス」から「ホワイト」に替えたやん」
 
「もー チエ子 お父さんの晩酌くらい えゝやん… あんたわ フラフープもだっこちゃんも クラスで一番先に 買ぉてもーた くせして…」
 
と 妙子が助け舟を出し 続けて
 
「こんど お父さんの通勤費 浮かすのに 自転車 買わなあかんから また 出費も多なんねん てぇ」
 
「そーなん ふーん」
 
「まー うっとこ わ 『赤子の行水』 ちゅうこっちゃ!」 と 勝男は 煙草の煙を鼻から出しながら 言う
 
「えーっ 『赤子の行水』って『ややこジャブジャブ』…?」
 
「ちゃう!ちゃう!『金の盥で泣いてる』 ちゅうて 『お金 足らいで泣いてる』つまり 『火の車』 ちゅう こっちゃ!」
 
「『貧乏』って ゆーこと?」
 
「そう そう!」
 
もー お父さん 子供にそんなこと 教えんといて下さいなぁ…」
 
 
 
baby's bathing


本日は 曇天なりぃ
2008・3・4


塩玉 殻 剥き
 
 
 
今は死語ですか… 「にぬき」?
 
子供の頃は「ゆで卵」は「にぬき」でした。
 
 
玉子を完全に「煮抜いた」あと→つまり ゆで卵 に 即! 
 
飽和塩水に ポチャン!と浸します。
 
6〜8時間後に とても おいしい 「塩玉」が 出来上がります。

 
話は これからですが…
 
「にぬきの殻」を剥くのが 大変なんですよ!
 
毎朝 1個 この「塩玉」を 食べてるんですが
 
新鮮な玉子は 中々 剥けないんですよ!
 
  ワタクシの作業手順は
 
@気室部分に 針で 穴を開け 茹でます。
Aスプーンの裏なんかで 軽く叩いて 玉子全体に ヒビを いれます。
   (この時 妻は「ナンミョーホウレンゲーキョー」と 不敬なリズムをとってます…)
B軽く 玉子を 揉みながら 剥離しやすいようにと 祈ります。
C気室の穴に 撮影用備品のブロアーヒコヒコで バフバフし 玉子本体と殻を 分離させてるつもり…ます。
Dおごそかに かつ 神経を集中させ 玉子の殻剥き作業を 開始します。 
 
  こんなに手の込んだ作業なのに
最後のところで 精神力が尽きるのか いつも アバタになってしまいます。
 
 
話は ほんとは こゝからなんですが… おい!おい! まだかいなぁ
きょう こんな作業を すっ飛ばしで 
 
スプーンで「塩玉」を ホジホジして 食べたら
 
結局 キレイに殻が剥けた状態 と 同じ 状態だったんです … が
 
つるり と 剥けた「塩玉」を かぶりつく 「心」の状態と
 
スプーンで 掘り/\しながら 食べる「心」の状態が 
 
  全く 違うんです…  !!
 
やっぱ… 「ガブリ!」つくのが おいしいんですよ…
 
こんなことを 一年近く 毎朝/\ 悩みながら 殻剥き作業をしています。
 
 
  労 多く 幸 少なし…
 
 
salty soft-boiled egg


♪今日は楽しぃ〜♪ だから チラシ寿司とはまぐりのお吸い物。
2008・3・3


歌は世につれ
 
浪曲 石松三十石船
 
 
玄関口
『 ただいまー 』
 
襖を開けると なんか ちゃう
 
おかーちゃん が いてる … 
三人の兄姉は いない …
 
  六畳間に 一杯 布団 広げてる
 
天井からぶら下がっている白熱灯で
ぼんやり照らされている部屋 四方は暗い
 
タンスの上のラジオから 
奇妙な「歌のような声」が聴こえている
 
『 おかーちゃん ただいまー 』
 
「 あゝ おかえり 」
 
『 なに してんのん? 』
 
「  布団の綿の入れ直し してんねん 」
 
『 ふー ん … 』
 
母子家庭だった 我家
母は「職工」で 
朝 早くから 残業/\/\で 帰宅は遅く
ワタクシは母と一対一で話すのは 皆無だった。
 
『 これ なに 聞いてんのん? 』
 
「 「ろーきょく」 や 」 ※浪曲
 
『 ふー ん 』
 
ヒシャゲた男の声は
喋ってる おもたら 唸うなる し
 
三味線が気違いみたいに
「ペンペンペン」と弾けては
時々に 女の声が絶叫
 
よーっ!
っ!
うゝっぁゝゝ!
ょっ!
 
( なんか 気持ち悪い な … )
 
「 そこの 綿 取って 」
 
『 ん 』
 
「ほら! 綿 踏んでるっ!」
 
『 あっ! はい これ… 』
 
「 ん… ありがとう 」 
 
その 変な調子の「歌」が だんだん からだの「どこか」に 浸みて えゝ 感じ に
 
『 おかーちゃん この歌 えゝなぁ 』
 
「 へー そー 「ひろさわ とらぞー」 ゆー 人 や … 」 ※広沢虎造
 
『 ふー ん そ… 』
 
日頃
ラジオを聞かない 母だった
唯一 
この六畳間で 親子五人
夜9時 
ラジオ・ドラマ《君の名は》を
布団にもぐり込んで 聴く くらいだった
 
髪の毛 服 鼻の穴を 綿だらけになりながら
ワタクシは 必死で 母の手伝いをした
こんなこと 滅多にない し
 
六畳間は綿の大海になっていた
 
 
  「ひろさわ とらぞー」さんが 渋く 渋く 語ってる
 
 
江戸っ子だってねー
 
神田のうまれよー
 
そーかい 喰いねえ 喰いねえ 寿司 喰いねえ
 
 
 
 
cheap opera
 
 
これはもう 開花宣言でいいかな・・。
2008・3・1